|
今回のクルマはダイハツのエッセです。
いつの間にか装備、重量、価格ともに増加して、もはや1.0〜1.5リッタークラスのコンパクトカーと変わらないほどになってしまった軽自動車････
そんな状況に不満を持つ軽ユーザーたちの声に答え、いわば「軽自動車の原点」に帰ってダイハツが開発したクルマこそ、今回のエッセです。
まずは外観から。
ぱっと見の印象は、かつて私も乗っていた2代目ミラを彷彿させる台形フォルムで、フランス的エスプリを感じさせるなかなかの好デザインです。特に斜めにスパッと切ったようなリアの意匠が気に入りました。また、細かい部分を見ていっても丁寧で品の良いデザインが施されていて感心します。
各部の造り・建付け等は決して高級・重厚ではないものの、実用品としての基準は満たしており、日常使うにはこれで充分だと思いました。
内装も同様で、豪華さとは無縁ですが、その分洒落たデザインセンスでカバーしています。上部にトリムを施さず鉄板の地色を出すことで、ベージュの樹脂パネルとツートーンカラーを形成しているのはその最たるものでしょう。更にこれと同じツートーンカラーでシートを仕立てているところなんぞ泣かせます。
そして、そのシートですが、肝心の座り心地もまずまずで、後席はリラックスこそ出来ないものの、ちゃんと大人２人は座れます。
ただ、ラゲッジフロアが安手で薄いカーペット一枚きりというのだけは何とかならないかと思いました。
その他、室内空間・各部の使い勝手などに問題はありません。
試乗しました。SU-LEV、可変バルブタイミング機構付660cc3気筒DOHCエンジンに３速ATを組み合わせたＬというモデルです。
まず、このクルマは低価格にこだわって作られているため仕方ないのですが、シートリフターとチルトステアリングが無いのはやはり不便でしょう。そしてエンジンを掛けると、昔懐かしい？ブルブルという音と振動が室内に伝わってきます。
でも、不満なのはそこまでで、走り出してしまえば、意外なほど気持ちよく走れるクルマでした。これには、新開発３気筒エンジンと３速ATのベストなマッチングと軽量化されたボディーが大いに効いています。
特に、力強い加速と全域トルクフルで頼りがいがありそうなエンジンはダイハツの伝統で、いつもながら感心させられます。このおかげでATが3速でも何ら不満はありません。
更に感心させられたのが乗り心地で、145/80R12という比較的プアなタイヤを履きながらもコーナリングではしっかりと粘り、まるで往年のフランス車のような乗り味を提供しているのです。
その他、左右の見切り、取り回しの良さ、ブレーキ性能などは問題ありませんでした。
総評です。
このクルマは女性がメインターゲットだと聞きましたが、どうしてどうして男性が乗っても結構楽しめるクルマだと思います。
下駄代わりのおしゃれで軽快な街乗り車として、大いにオススメしたいですね。
|