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今回のクルマは日産のプレサージュです。
2代目となったプレサージュですが、先代は、ホンダのオデッセイやトヨタのエスティマといった強力なライバルの中で、今ひとつ印象の薄いクルマと言わざるを得ませんでした。今回はデザインコンシャスなメーカーに生まれ変わった新生日産ということで、期待してディーラーに足を運びました。
それでは詳しく見ていきましょう。
まずエクステリアデザインですが、これは先に発表されたティアナによく似ています。プラットフォームは別だとのことなので、おそらく日産は中型以上のクラスは、このデザインテイストで統一していくつもりなのでしょう。若干面白味には欠けますが、これはこれで、なかなかプレーンで上品なスタイリングだと思います。また、最近の日産車は皆、とても洗練された感じのデザインなのも好印象です。このへんは、どうも野暮ったい印象が払拭できないトヨタ車との大きな相違点と言えるでしょう。
インテリアもベージュを基調にした穏やかで上品なものです。ただし、インパネまわりは、ややアバンギャルドなところも感じさせます。円をモチーフにしたセンター部分に、情報ディスプレー、ナビ、エアコン、オーディオ、ATシフトレバーまでを集中レイアウトしてあり、その上にセンターメーターが配されている、というものです。これは慣れるのに、ちょっと時間が掛かるかも知れません。
各シートには、いろいろ仕掛けがあって、それなりに便利だとは思いますが、正直なところ、どのシートも掛け心地は良くありませんでした。特に1列目シートの座面が容量不足なのは致命傷かも知れません。体重60キロの私が、ちょっと座っただけで底付き感があるのです。また2列目3列目はサイズが不足しています。
ラゲッジスペースは、これだけのサイズ（4840X1800X1685mm）ですから充分なものです。特に3列目が、エスティマなどのような跳ね上げ式ではなく、ワンタッチの床下格納式なのは有利でしょう。
試乗しました。2.5リッターDOHC4気筒エンジンに4速ATを組み合わせたXというグレードです。
走りだすと、1700kg前後の車重を感じざるを得ません。スタート・加速のたびに「グワッ、グワッ」という感じで、前後に揺さぶられます。やはりこのクルマには、3.5リッターV6エンジンにCVTの、上位グレードの方が合っているようです。
それでも、乗り味はなかなかでした。しなやかさを確保しながら、ミニバン特有のゆらゆら感は感じさせない、というものです。これは評価できると思います。
取り回しは、車格相応といった感じでしょう。側面見切りはよいのですが、ボンネットは他のミニバン同様まったく見えません。
それから、特に気になったのはシフトレバーの位置です。これはいかにも使いにくい････、閉口しました。
総評です。
このところ秀逸なクルマを、立て続けに出してきた日産の中にあって、めずらしい駄作だと言わざるを得ないでしょう。デザインこそ日産らしいものの、その他はすべて中途半端で、煮詰めが甘いものだと思います。
特に、シートの造りの悪さと乗員スペースの取り方の悪さはいったいどうしたことでしょう。本来この手のクルマで一番重要視される所に不備があるのですから、私はこのクルマを薦めるわけにはいきません。
相当辛口なコメントになってしまいましたが、日産のシンパを自称する私としては、泣く泣くあえて書いた次第です。
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