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今回のクルマはホンダのCR-Vです。
先代のCR-Vはとにかく売れたクルマでした。日本でもアメリカでもずいぶんこのクルマが走っています。当時スポーティーカー路線にあったホンダがRV市場に打って出たのがこのクルマです。そしてその思惑は当たりホンダは一気にRV市場のリーダーとまでなったのです。そんなCR-Vがモデルチェンジしました。
サイズも全方向に拡大され、もはやライトクロカンという呼び名はしっくりこないほど立派なクルマになりました。この事が吉と出るか凶と出るかはまだわかりませんが、少なくともアメリカ市場では好感を持たれるであろうことは想像がつきます。
それでは具体的に見ていきましょう。エクステリアデザインはホンダの流れに沿ったものです。嫌みを感じるようなデザインではありませんが、私はもういい加減この感じには飽きてきました。 CI（コーポレートアイデンティティー）というのもわからないではないのですが････。
インテリアもどことなく冴えのないもので各操作部のレイアウトなどは問題ないのですが、新鮮さは全く感じられないものです。あえて新しいというのならパーキングブレーキレバーの位置ですが、これもこの位置がベストとは言い難いと思います。シートの造り、座り心地なども問題はないのですが、感動すると言うことは全くありません。また個人的にはシートとドアトリムに使われたモケット素材というのも大嫌いです。何となくジトっとしたタッチで、これが使い込んでいくうちに何とも不潔な印象を持つことが理由です。このてのクルマならざっくりとしたファブリックの方が何倍も良いと思うのですが。シートレイアウトや荷室の使い勝手もこのクラスのクルマとしては標準的なもので別に取り立てて言うべき所はありません。
試乗してみましょう。Fullmarkの2リッター4速AT付4WDモデルに乗りました。まず、良い意味でも悪い意味でもこのクルマは背の高さを感じさせます。乗り味もおっとりしたもので、ホンダというメーカーに期待するスポーティー感からは遠い印象のものです。ただしステアリングは良く切れ、小回りは良く利きます。
エンジンはホンダ今いち押しのi-VTEC、2リッターDOHCエンジンで、これはスムーズに良くまわるとても良いものです。ただしこのクルマはトルク重視という理由でインテグラやストリームとは違い4速ATを組み合わせているので、それほどエンジンの良さを味わえるものではありません。またシフトレバーの位置もストリームのようにインパネ上にあった方が良いと思います。さらに減速した後で比較的強くアクセルを踏むとシフトダウンのショックとタイムラグが結構大きくてびっくりしたことも付け加えておかなければならないでしょう。
総評です。とにかくピントのぼけたクルマだという印象です。決定的な欠点はないのですが、これといった訴求力もない････、エンジン以外はどこのメーカーが作っても良かったと言うような感じすら抱きます。
しかしディーラーによると反応はたいそう良いのだそうです。確かに価格はこのクラスとしてはリーズナブルなものですが、私にはこの事が理解できません。
かなり否定的なコメントになってしまいましたが、ホンダにはいろいろな意味で期待しているので、今後はっとするようなクルマが出てくることを願わずにはいられません。
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